Lost time

Lost timeロスタイム ムーンライダーズ
作詞: BIKKE 作曲: 鈴木慶一 編曲: 高野寛, ムーンライダーズ

隠した想いも 手元に残らず
また来る道だけ 歩くのか
差し出す 腕には 連れない顔して
合わない靴だけ 渡すのか

Lost time Lost time
急がせ過ぎたはずの 夢だけでは
Lost time Lost time
満ち足りた記憶 よみがえらず

漏らした秘密は どこにも届かず
うるさくならない 手を振れば
いつもの私が 迎えに来ている
髪をかきあげる 影を見る

Lost time Lost time
期待されない返事 繰り返して
Lost time Lost time
探しあててみる 言葉ひとつ

見上げた空から 開いた口から
嘘でも何かが こぼれない
助けにならない 手すりにもたれて
つま先のばして のぞき込む

無い
誰も知り過ぎない 行方ゆくえ見え過ぎない
もどかしい 感じたままでは
たい
だから決め過ぎたい そして言い過ぎたい
からし
許されてゆくだけ

無い
誰も知り過ぎない 行方ゆくえ見え過ぎない
もどかしい 感じたままでは
たい
だから決め過ぎたい そして言い過ぎたい
からし
脱ぎ捨てて こぼれる

ムーンライダーズのアルバム「月面讃歌」および「ディスカヴァード」に収録されている。
「月面讃歌」というアルバムは特殊なアルバムで、ムーンライダーズが編曲まで行った楽曲を、他のミュージシャンに再アレンジを依頼した、全曲リミックスのアルバムである。そして、後発の「ディスカヴァード」のほうがそれらの原アレンジを収録したアルバムとなっている。
この「月面讃歌」のコンセプトにはムーンライダーズのファンもメンバーも不満を持っているためか、本アルバム収録の楽曲の歌詞はネットでも見つかりにくいものが多い。
この『Lost time』の再アレンジは高野寛に託された。鈴木慶一氏は「我々に対するリスペクトのない若い世代に大胆に作り変えられた」的なことを述べている。実際、「月面讃歌」の中でも「ディスカヴァード」収録の原曲とかなり差異があるもののうちの一つとなっている。その鈴木慶一氏のコメントを受けて高野寛は「多分ボクのことを言っているのだと思うのですが」と前置きしつつ「がっつり世代であり、かなり影響を受けているほうだと思う」と誤解を解きつつ「なので、自分の出来る限りをぶつけてみた」というようなコメントをしている。なお、高野寛はめげずに後にムーンライダーズの「いとこ同士」の再アレンジも行っている。

作詞のBIKKE氏はTOKYO No.1 SOUL SETのヴォーカル。
どうでも良いが、サッカーなどのロスタイム(和製英語)のつづりは"Loss time"となるハズ。スペルミスなのか意図的なものなのかは不明。