殺し Original Love
作詞: 小西康陽 作曲: 三次皇, 田島貴男
あらかじめあなたに打ち明けておこう
ずっと胸の奥にあたためたプランを
星のない夜の孤独な狩人のように
これからあなたの愛を奪いに行くよ
たとえば美しいあなたの瞳や黒髪
細い指先や胸のふくらみ
そして忘れようのないあなたのその声と
そのすべてを手に入れたい
愛で殺したい 美しい人
ほかに言葉が見つからないんだ
闇に響くピストルの音
愛よ今夜はあなたを貫けよ
なめし革の黒い手袋をつけて
背後からそっとあなたに近づいていく
星のない夜の孤独な狩人のように
あなたを確実に追い詰めていくはず
目隠しをされたら想い浮かべてみてほしい
白い光溢れる部屋
粗いカンヴァスにあなたを描いた
蒼い絵の具はまだ乾かない
愛で殺したい 美しい人
他に手段が見つからないんだ
遠い夜空に切り裂く稲妻
愛よ今夜はあなたを貫けよ
ずっとずっとずっとあなたを
じっとじっと息を殺し
そっとそっと胸震わせ
きっときっととどめを刺す
目隠しはそのまま想いうかべてみてほしい
長い一日の終わりに
あなた愛に捕らえられている
熱い涙はまだ乾かない
愛で殺したい 美しい人
ほかに言葉が見つからないんだ
闇に響くピストルの音
愛よ今夜はあなたを貫けよ
愛で殺したい 美しい人
他に手段が見つからないんだ
遠い夜空に切り裂く稲妻
愛よ今夜はあなたを貫けよ
ずっとずっとずっとあなたを
じっとじっと息を殺し
そっとそっと胸震わせ
きっときっととどめを刺す
「殺し」はOriginal loveのアルバム「ビッグクランチ」(2000年)に収録されている。
かつて田島貴男はピチカート・ファイヴのボーカルを務めていた事があったのだが、他のメンバーと喧嘩別れした。で、本作はその仲直りの印としてピチカート・ファイヴの小西康陽との久々の合作となっている。ていうか、田島貴男はOriginal Loveの他のメンバーとも喧嘩別れしているのだが、そっちはどうなっているんだか。
「ほかに」と「他に」の表記ゆれが気になるが、歌詞カード通りとしている。何がすごいかというと、この歌詞を田島貴男自身が書いたと言われても違和感がないぐらいにオリジナル・ラヴの作風の歌詞に仕上がっている点である。
行かないでお嫁サンバ 一人のものにならないで
何度か出てくる隣のクラスのTさんの職場で起こった事件。ただし、Tさんとは社会人になってからは連絡を取っていないなので、新聞記事で読んだ話。
Tさんはとある大手化学メーカーで働いている。Tさんは会社の独身寮に住んでいて、その独身寮には集会室と呼ばれる部屋があるそうな。そこに冷蔵庫が置かれていて、たぶん今はないだろうけれども、当時はお茶が保管されていたという。多分、当番制というわけではなく、お茶がなくなったら、それに気付いた独身寮に住む社員が新しく作って、冷蔵庫に入れておくというルールだったのだろう。
Tさんの数年先輩の女性社員が婚約して、入籍前に、その集会室に女性社員らが集まって、結婚おめでとうパーティーをしていたという。そのパーティーの最中、参加者の複数名が体調不良を訴え、中には嘔吐する人もいたらしい。救急車によって複数名が病院に搬送された。
Tさんの会社は警察に被害を届け、捜査に全面協力するとした。これは実はかなり異例で、大概の会社は内部調査で済ませ、事件はもみ消される。なぜなら、化学メーカーなのだから分析機器も、それを使える社員も揃っているのだから自前で調査できるわけだし、新聞沙汰になったら会社の評判(そして株価)が落ちるから。
で、警察は集会室の冷蔵庫に保管されていたお茶からアジ化ナトリウムを検出した。アジ化ナトリウムはこの手の事件では定番中の定番である。私は合成しないのでアジ化ナトリウムのラベルすら見たことがないのだが、アミノ酸とかの窒素化合物を合成する定番の試薬らしい。
アジ化ナトリウムは遅効性の毒物なので、被害者自ら毒物の入ったコップやグラスを洗って証拠隠滅してくれることがちょっとだけ期待できる。また、アジ化ナトリウムには有効な解毒剤はない。このため、後遺症は一生残る。
話を戻すと、この事件の真相は、パーティーが開かれる前に誰かが冷蔵庫内のお茶にアジ化ナトリウムを混ぜておき、パーティーの参加者がそれを知らずに飲んだ、ということである。
無能で有名な某県警は捜査に3ヶ月掛かってようやく、Tさんより数年先輩の男性社員を逮捕した。結婚するはずだった女性社員は婚約を破棄するに至ったという。ある意味、犯人の思惑通りになってしまったことになる。
犯人が逮捕されるまでの3ヶ月間は被害者らにストレスが相当溜まる状況だったらしく、ストレスで髪の毛がほぼ抜け落ちた女性社員もいたとのこと。
