人間は いろいろだ 違って生きる ケダモノだ

欠けてること 知らずにいたら

ネタ枯れ感がすごいけれども、また小ネタの詰め合わせ。
ただし、この次は more betterよ!

同じ研究室の博士課程の先輩が「うちの研究科は動物園みたいだ」と言っていた。うちの学年も個性の強いのが揃っているのだが、毎年そうだったのだろう。先輩は「ここは社会に出したらアカン人たちの収容所みたいなもんや。何がすごいって、勝手にそういう人達が集まってくるのがすごい」と続けた。さすがに思い当たるところが多すぎて、私は思わず吹き出してしまった。

世の中じゃ 二人は合わない そうだ

うちの研究室の技官の人が、隣の研究室にいる私と同級生の女の子と、うちの研究室の私の同級生とをくっつけようとしていた。うちの研究室の同級生には彼女が居たため、技官の人に「勘弁して下さいよ。たぬきは彼女が居ないから、彼にしてくださいよ」と言ったという。すると、技官の人は「たぬき君にはあの子ではもったいない」と言ったそうな。
修士課程を卒業する少し前にその子と出会った時に、「うちのお母さんから「京都から出ていかんといて」ってお願いされたから、東京へは付いて行かれへん」と言われた。一瞬、話が飲み込めなかったものの、「お気持ちだけで結構です」って答えて、彼女の次の言葉を待たずにスタスタと彼女の元を離れた。
私の知らないところで家族会議が開かれて、そこで彼女が付き合ってもいない男を追って東京に行くとか言って、お母さんがヤバイと思って彼女を監視下に置くために「京都から出ていかんといて」と言うことになったのだろうか? と妄想すると、「お母さんGood Job!」としか言いようがない。

私は、どちらかというと常識のない方なので、なるべく常識のある人と結婚したいと思っているのだが、常識がある人ほど私なんかを選ばないという二律背反的な苦悩がある。
常識がある人ほど私を選ばないということは、私は"変な子ホイホイ"なのだろう。

修士過程に入ってから数カ月後、同じ研究室の同級生が「なんか、すごいマイペースな奴がおる」と言って来た。バイオ系の研究室にいる男子学生なのだが、本当に周りを気にしないし、空気を読まないのだという。そこの研究室には男2名と女子1名がいるが、女の子もうまく説明できないけど変な子だという。
しかし、私はまだその3人組を見ていなかったので、多分無関係で済むものと思っていた。
私が受講申請した授業の中で、視知覚情報論という授業だけが"集中講義方式"をとっており、年2日しか授業がないが、その代わり、その日は丸一日授業を行うというものだった。しかも、授業日は通常では冬休みの日だった。
その授業で使う教科書は以前から発表されていたため、数日前に教科書を購入したところ、面白そうな内容で、かつ、さほど難しくない内容だったので、私は授業がある日までに教科書を最後まで読み終えてしまっていた。
で、授業の日、授業前に教授が授業で使うプリントを配布したのだが、ざっと目を通すとそれはただの教科書のコピーで、それ以外の資料はなく、既に教科書を買っている自分には、ある意味必要のないものであった。
すると、ある女子学生が「私の資料がない!」と言い出した。隣の席の男子は持っているので、見せてやれよと思ったが、彼は靴を脱いで椅子の上にあぐらをかき、隣の女子がまるで見えてないかのようなレベルで無視していた。こいつが噂のマイペース君か!
女子学生は「ない!ない!」と繰り返している。すると、教授が自分の資料のホッチキスを外してコピーしに行くような行動を取り始めた。それでは授業が始まるのが延びるし、当然終わりも遅くなる! と思った私は意を決して、騒いでいる女子学生に「私はもう教科書を買っているので、このプリントは必要ないので、よかったら使ってください」と言って自分の分のプリントを差し出し、女子学生を黙らせた。

何の因果か、この女子学生とは会社の内定式で再会することとなった。これは本当に偶然である。
内定式で一人ひとり自己紹介することとなり、先に私が自己紹介したのだが、後から彼女が自己紹介した時に「同じ研究科の人がいてびっくりしました。知らん人やけど」と言った。ズッコケそうになった。その後、彼女から逃げるように逃げて内定式から帰った。
彼女は内定式の次の日、研究室の同級生の男二人に「内定式に同じ研究科の人がいてびっくりした。知らん人やけど。たぬき君て知ってる?」と言ったらしい。すると、他の二人から「何でお前が忘れてるねん! 恩人やないか!」と突っ込まれたそうな。ていうか、どちらかというと、その二人からも忘れられていたほうが有難かったのだが。
で、彼女はその翌日、私に「すっかり忘れてました。知らん人って言ってごめんなさい」と言って来た。「いえいえ、こちらも忘れていましたから」と返しておいた。

社会人になってからの話はエグい話が多いのであまり書きたくないが、この子の件だけ。
入社後の新人研修期間に、寮みたいなところへたまたま彼女と二人で帰っている途中に、彼女が「女の子が飲食店に入るのって勇気いるから、一緒に夕食食べてくれない?」と言われたので、やさしくって骨のない男な私は何の疑いもなく、彼女と夕食を共にしたのであった。
すると後日ごじつ、その子はアレはデートだと言い出した。後述するAI(?)による判定だと、確かにデートにあたる行為なので、デートだと言われればデートなのであろうが、完全にハメられたことになる。何が悲しいかというと、私にとってアレが女性との初デートだなんて認めたくない…
にしても、彼女が最初からデートのつもりで私を誘ったのなら、その勇気だけは買ってやる。そう思っていた時期が私にもありました。
で、既にどこかで書いたかもだが、入社後から1年以上の間、付き合ってもいないのに学生時代から付き合っているというデマを言いふらされたのであった。
なお、彼女が去った当時はこの件は水に流したつもりでいたのだが、なにせ私は鈍感なため、後からちょっと笑えない話が裏で展開していたらしいことが分かったので、同期の彼女がもしもこれを読むことがあったなら、あるいは彼女と連絡の付く人は、たぬきさんが話したいことがあるようだと彼女に知らせてほしい。

誰か邪魔したって 止められないよ

話は学部時代に飛ぶ。すんません、コネタの寄せ集めなので。

バイオプロセス工学という授業である日、教授が配布したプリントが私の分だけ足りなかった。「お、ないやん!」と言って、教授のところに行ってプリントの余りがないか確認しようと席を立つと、その列の前の方に座っていた女子学生(以下、J子さん)がほぼ同タイミングで席を立ち、「私が友だちの分まで取り過ぎていたので」と言って、私に1部分けてくれた。
だからといってJ子さんがオレに惚れてるんじゃないのと勘違いしたりしないし、逆に彼女に惚れてつきまとったりしたりもしなかったけど。
ただ単に、ブランド好きでチャラチャラしている割には意外に正直な人だったんだなと思っただけだった。
J子さんがプリントを余分に取っていたのは、1部はサッカー部のマネージャーだった女の子の分である。こちらは話を広げても余り面白くないので割愛。
もうひとりの方が、ちょっとヤバイ子だった。
スタイルは悪くないものの、お顔のほうが残念だったはずなのだが、私の画像記憶機能が彼女の顔の画像の保存を拒否するため、彼女の顔が思い出せないので具体的にどこがどうとか言えないのが申し訳ない。
この子が、授業をサボって何をしているかというと、彼女と同じクラスの彼と空き教室でずっとキスしてたりするのだ。私と同じクラスのN君いわく「おぞましい光景」とのことで、「あんなに羨ましくないカップルはいない」と言っていた。
彼の方は私よりかっこいい部類になると思うのだが、蓼食う虫も好きずきっていうやつなのだろうか。
しかし、授業に出ないならキャンパスに来ないでどっか別のところでデートすりゃいいのにとも思うが、クラスの人に見せたいのだろうか。でも、空き教室でやってるのだから、やっぱり見られたくないのか? 訳わからん。
とりあえず害がないので好きにしてくれ、と思っていた時期が私にもありました。
大学からやや離れた繁華街の商業施設のエスカレーターに乗ると、なんとちょうど前にそのバカップルが乗っていた。しかも、公衆の面前で、いつものようにキスをし始めたではないか。ほんまもんの変態やったんや!
私はエスカレーターに乗っているので逃げも隠れもできず、とりあえずあさっての方向を向いていた。
しかし、キスが終わってバカップルがお互いの顔を離した時に、彼女のほうが私に気がついておもむろに振り返った。私は、まるで今気がついたかのように「あ、こんにちわ」と彼女に挨拶した。彼女もつられて頭を下げたが、さすがに気まずかったらしく、その後、直立不動とまではいかなかったが背筋を伸ばして真っ直ぐ前を向き、彼との間に少し距離をとった。
いや、遅すぎるって! って思った。

やがて少女も気付く日が来る

そもそも何で隣のクラスのバイオプロセス工学という授業を受講したかというと、同じクラスのN君が隣のクラスのYさんという子に惚れていたので、彼女と同じ授業を1コマでも多く受けたいというN君に誘われたからである。
このYさん、顔もスタイルもモデル並みなのだが、中身が天然…と言いたいところだが、むしろ逆に人工的なのである。
うまく言えないが、アンドロイドの研究所から逃げてきたアンドロイドのようで、人間のふりをしているけれどもバレバレっていう感じだった。
特に彼女の思考回路はシンプル設計過ぎて、例えば、嘘を付くという思考回路はない。都合が悪い時はただ黙るだけである。
子供は正直という人がいるが、いやいや、自分の罪を他人になすりつけたり平気でするものだと思う。それに比べて、彼女が嘘をつけない様子は、正直というのとも違う感じで、ただただ奇妙な印象を受けた。
また、言って良い事と悪い事の区別がついていない部分があり、N君がそそのかして「xxさんてどんな人」と聞くと、ナイフのように鋭い言葉で、えぐってはいけない部分まで話すという。
私は彼女が大学で、生理用品をむき出しで手に握って女子トイレに入っていくのを見たことがある。
その辺の羞恥心みたいなものも欠けていたようで、ある日、素肌に白のブラウスだけで大学に登校して来て、何かが透けて見えるどころか、横からだとブラウスのボタンとボタンの隙間から見えてはいけないものが見えたそうな。残念ながら私はその日はYさんと出会わなかったが、N君はバッチリ見たという。
で、N君は下校時にYさんと話しながら帰るところまでは割と日常茶飯事な状態にまでは持っていけたものの、彼女が電車に乗り換える駅で「よかったら喫茶店で話の続きをしない?」と誘うと「ごめんなさい」と言われる日々が続き、その壁を破ることは出来なかった。
どうやら、通学路を話しながら帰るのはデートではないが、通学路を外れるとデートであるという認識のようであった。
その辺の倫理観が備わっているのも、なんか逆に変な感じだった。